【まちなかシアター解説 出演者編① 渡部ギュウ】

HPでは、「仙臺まちなかシアター」ご出演の俳優さんたちも、お一人ずつ紹介していきたいと思います!プロフィールは最後に載せさせて頂きますが、せっかくなので、演出の個人的観点から書かせていただこうと思います。

渡部ギュウ氏
 昭和〇〇年5月7日生まれ。あしたお誕生日ですね!山形県出身ですが、中学高校と演劇とは全く無縁で、サッカー・バスケとスポーツ少年だったそうです。
大学時代に仙台のアングラ劇団 「十月劇場」(その後「TheatreGroup OCT/PASS」へと転向)の舞台を観て、小畑次郎氏の演技に衝撃を受け、演劇人生が始まりました。
俳優だけではなく、仙台の五月を彩る祭り「仙台青葉まつり」の台本をつくったり、児童劇団の講師を長らく務めたり、オペラの演出をしたり、ナレーションをしたり、と活躍の場は多岐にわたります。
 東日本大震災後、2013年から、小さな作品で渡部氏の演出をさせて頂くことが多くなりました。どんな役者さんかというと一言でいうと…、といってもまとまらないので、箇条書きにしてみました。
①めんどくさいです。納得がいかないとすぐ稽古を止めます。リハーサルの途中でも関係ありません。もう、稽古を止められたときは、あきらめてギュウ氏が納得いくまで徹底的に話し合うことにしています。そのほうが早いからです。
②何事もスイッチが入るまで時間のかかる方です。それは出会った頃からそうだった気がします。「この企画はいまいちやる気がしない」「そんなに稽古しなくてもいいんじゃない」みたいなことをぶっこいています。でも、根は非常にまじめで芝居大好きな方なので、”言ってみてるだけ”です。スイッチが入ると、全然稽古が終わりません。こちらがもういいかな、と思っても関係ありません。
③本番の集中力がすばらしいです。本当に演劇をやるために生まれてきた方なのだと思います。稽古より百倍輝きます。そして、稽古でやらなかったことをやったりします。感動しますが、「演出の私は何だったのだろうか」と思うこともしばしば。
④ギャップがすごいようです。先日、「仙臺まちなかシアター」の飲食店の関係者の方から、「ギュウ先生は、おうちでもさぞ寡黙なんでしょう。雑談したりするんですか?」と聞かれました。「基本、ずーっとしゃべってますよ」と答えたら、驚かれました。どうやら、気難しくて短気で繊細で近寄りがたいと思われがちのようです。しかし、親しい人達は誰もそのように思っていません。人は基本的にみんな大好き、お祭り飲み会大好き、だれとでもなかよくなれる庄内人です。コロナウイルスの影響で人と会えない、お客様を家に呼べない、というのは大変辛かったそうです
⑤服装に頓着しません。舞台の衣装等はこだわりがちゃんとありますが、日常はほっといたら同じセーターを3日着ていたりします。思い起こせば初めてお会いした時、上は着古したセーター、下はジャージでこじゃれたカフェに現れ、「おや」と思った記憶があります。
 YONEZAWA GYU OFFICEは、渡部ギュウ氏が代表、所属しているのは現時点では私、髙橋菜穂子だけです。私は演出やら企画やらもやってますが、妻でもあるので、要するに家族経営ですね。一本目の作品「恩讐の彼方に」の出演者がギュウ氏だったので、非常に書きづらい役者紹介となってしまいました。
下記がちゃんとしたプロフィールです。

山形県庄内町出身。仙台でアングラ演劇の嚆矢といわれた「十月劇場」を経て俳優、演出、舞台企画など幅広く活躍中。2002千賀ゆう子企画「オレステス」でギリシャ公演に参加。2016年仙台フィル特別公演「幻想×レリオ」に出演。また,「大人のための演劇クラブ」「朗読クラブ」の開催や,中高生向けのワークショップの実施など,市民への演劇文化の浸透にも力を注いでいる。専門学校の演劇科講師。日本演出者協会会員。代表作/『アテルイの首』『税務署長の冒険』『土神ときつね』『タルタロスの足湯』(SENDAI座)。受賞歴/宮城県芸術選奨新人賞。宮城県芸術選奨・演劇部門受賞。アジア小劇場ネットワーク東京演劇祭で「Alice賞2001」受賞。SENDAI座☆プロジェクト「十二人の怒れる男」で文化庁芸術祭2018優秀賞。