24日(水)12:00配信スタート!♯8「晩菊」上島奈津子さんを紹介します!

上島さんの舞台を初めて舞台を拝見したのは、仙台市の企画「シアタームーブメント仙台」だったと思います。私は高校生か大学生でした。作品は忘れてしまったのですが、こんなに知的で上品で、セリフに説得力がある役者さんがいるのかと感激しました。その後、やはり仙台市の企画、青年文化センターで実施した初心者ワークショップにも、ゲスト講師でいらしていました。その後の飲み会のようなものに渡部ギュウ氏(当時米澤牛氏)が私と妹を誘ってくださり、演劇とはウンチクをずーっとずーっと話し続けるギュウ氏に対し、上島さんは上品に微笑みながらお酒を飲まれていて、やはり日常生活でも大変控えめで上品な方なのだな、と実感しました。控えめ!!上品!!!

……その後いろいろご縁があって、現場でご一緒させて頂くことがとても多くなりました。舞台で共演させて頂いたこともありますし、「仙臺まちなかシアター」の前に実施していた「東北物語」でも、受付のお手伝いをして頂いたり、出演して頂いたりしました。そして、役者としての力量の凄さを度々実感するとともに、個人的なお付き合い(飲み会)なども多くなり、残念ながら第一印象のイメージはすっかり崩壊してしまった上島さんです(笑)。そんな上島さんを、私目線からご紹介します!

「晩菊」撮影風景より

・私が演出として最初にご一緒したのは、確か文学館でのリーディング公演だったでしょうか。2本上演しましたが、上島さんは一本目は修道院のシスターの役、もう一本は偏屈で横柄な作家先生の役(男役)でした。本当にこの人は天才なのだ、と実感しました。本物にしか見えないのです。
・あらゆる役を見事に演じ分ける上島さん。「お、おそろしい子!」って言いたくなります(出典:「ガラスの仮面 美内すずえ」。あるときは大雑把で空気が読めないおばちゃん、あるときは小さなバーのママ、あるときは心配性のお母さん、何を演じても絶品です。特にわたしはSENDAI座プロジェクトの「マクベス」で観たバーのママ役(色っぽい役)が大好きで、久々に色っぽい上島さんを観たいと思い、今回の「晩菊」をお願いした次第です。
・色っぽい役も何でもござれ、の方なのに……日常生活ではそれはどこへ行ってしまうのでしょうか。美人だし、おしゃれな方ではあるのですが、何というか、のんびりしているというか、無頓着というか、役者時とほんとに別人です。
・飲食が大変お好きなようです。FBの上島さんのページは、概ね飲食の話題です。コロナ禍下で、どうされているのかなあ、と思っていたら、ご自宅に燻製器を導入されており、自作の燻製と酒の写真をたくさん披露されていました。なんか「さすが!!」って思いました。
・飲み会もまた、大変お好きです。稽古や本番の後、飲みに誘って、断られることはまあまずありません。ただ、お酒に飲まれるようなことはなく、大変文化的なお酒です。いつでも芝居の話で盛り上がります。
・音楽や本、かなりお詳しいです。何かの機会に、音楽の話になったのです。それも私が若いころはまっていた、クラブミュージックです。上島さん、ほとんど知っておられました。いつか絶対上島さんとクラブに行きたい!と秘かに思っている次第です。

そんな上島さんが、芸者上がりの美しい婦人の”プライド”を演じる「晩菊」。ぜひお楽しみに!

上島奈津子
宮城県仙台出身。俳優。
未来樹シアター、劇団シャンウィを経て現在フリー。客演やプロデュース公演等出演多数。震災後はアウトリーチ活動にも力を入れ、乳幼児対象「おはようシアター」への出演は400ステージを超える。2011年度宮城県芸術選奨新人賞受賞。
最近の主な出演作:「東北物語 ここよりはじまる~震災と表現~ 石川裕人氏の足跡を道しるべに」(Office GYUプロデュース)「しんこきゅう」(ひびこと)「楽屋」(SENDAI座プロジェクト)「わたしのヒーロー」(仙台短編戯曲賞受賞作品リーディング)「プカプカ漂流記」(大人のための演劇クラブ)「アン-Anne-」(鳥や)「いのち愛ずる姫」(劇団ひとりっこ)他