鶴岡公演

 8月1日、2日に鶴岡公演が無事終わりました。下ろせないバトンへの照明吊り込み6時間、松崎太郎さんには本当にご苦労をおかけしました。いろいろありましたが、広い楽屋やホール裏の広々スペースなどは、子連れツアーには本当に助かりました。今回、悩みに悩んで決行した子連れツアー。仙台・東京(車移動)・鶴岡と3か所回って感じたことは、”それなりになんとかなる”。

 私自身は、3月まではフルタイムの仕事の合間を縫ってかろうじて芝居を続けている感じでした。台本作りも仕事と子育ての僅かな合間の時間(早朝とか)にわーっと一気に作る感じで、スタッフさんとの打ち合わせや会計業務はギュウ氏に任せっきりでした。4月に仕事を辞め、ぎっちり宮沢賢治の書籍に缶詰して向き合い、構成も演出も何度も修正を繰り返した今回の作品は、私にとっては本当の意味で初めての構成・演出作品といえると思います。もちろん共演者のみなさんやスタッフさんにはご迷惑はかかってしまうし、移動や待機など子ども達に我慢を強いることも多くなります。しかし、自分の舞台の本番を観ない、というのは無責任だなと、子連れツアー結構に踏切りました。もちろん現地で子守をお願いしたリ,子供の我が儘にイライラしたりといろんなことはあったのですが、息子、特に長男の成長はすごかった。そして何となく、「お母さんはこれからこういうことをお仕事にしていくんだな」というのを肌身で感じてくれたようです。仕込みやバラシも喜んでお手伝いするようになりました。決して分かりやすい内容ではないのですが、本番の舞台も4・5回は観劇しました。

 子育てを何かを両立する、というときに、どの親も葛藤し、また罪悪感に襲われることがあるかと思います。私も「子供に負担をかけてやりたいことを通しているのではないか」「役者さんやスタッフさんにいらないご負担をかけているのではないか」その苦しさとはいつも隣り合わせです。結果的に元気に帰ってきましたが、旅先で病気などになればその思いはなおさらだったでしょう。でも、宮沢賢治の言葉にもあるように、”ここはこれでよいのだ”そう思おうとしています。もしかしたら本人が〝公演のツアーには行きたくない!”と自分の意志で言う日が来るかもしれません。その時はその時考えようと思います。今回子どもたちはいろいろな人に関わって頂き、大事にして頂き、とても楽しそうでした。それでよしとしようかと思っています。そして「土神ときつね」の舞台とうちのファミリーに関わってくださったすべての方に感謝・感謝です。そしてもし今後うちの事務所から出演やスタッフのオファーがあった方は、基本子どもがセットでくっついてくるなーと、それでお嫌なときは遠慮なくお断り頂ければ、と思う次第です(笑)。