【♯4「西郷隆盛」出演者 芝原弘さんを紹介します!】

「西郷隆盛 芥川龍之介」で、大変のびのびとした芝居を見せて下さっている芝原弘さん。比較的単調な場面設定のお話ですが、人物の変化の見事さや地の文の表現力で、見事に作品をサスペンス仕立てに仕上げています。

実は、今回、「仙臺まちなかシアターを立ちあげる段階で一番よく分からなかったのがこの方。チラシの出演者のラインナップを見て、ご存知ないと思った方も多いはずです。それもそのはず、芝原さんは仙台に活動拠点をうつされてから、まだ1年経過していないのです。それ以前は東京でお芝居をやってらっしゃいました。
ではなぜ彼を今回の出演者に選んだかというと、それはズバリ、直感です(芝原さんごめん)。昨年のYONEZAWA GYU OFFICEの舞台を観に来てくださったときにはじめてご挨拶させて頂いたときに、「いい人そう」だったのと、氏の故郷である石巻を拠点に「みちのく怪談」という語りのイベントをやってらっしゃると聞いていたので(まだ観たことはありません。芝原さんごめん)、渡部ギュウ氏に、芝原さんどうかなあ、と相談してみると、「うーん、彼、アングラでしょ。大丈夫なんじゃないの。」と、何の参考にもならないご回答。
「まあ、きっと大丈夫だろう…」くらいの気持ちでした(芝原さん、本当にごめん)。
しかし!!私の予想は、その後の急展開で、大きく覆されることになるのです…(「西郷隆盛」だったらここで壮大な音楽)。
私をビビらせた、芝原氏は、以下のような人物です。

・とりあえず役者のお姿を拝見しようかしら、と伺った「演劇集団LondonPANDA」に客演されたときに、まず、仰天!!”仕事が出来てクールで、その実内面はホットな弁護士さん”という役をすいすいとこなしているではありませんか。その、かっこいいことかっこいいこと。…いえ、普段もかっこいいんですよ。ただ、普段の印象は、優しくて賢そう、という感じで、舞台であんなクールな感じを自然に出せるとは…!!脱帽!!
・次に役者で拝見したのは「ミュージカル シシ」。新型コロナウイルスの影響が始まった2月末、残念ながら公演は中止になってしまったのですが、公開稽古を観させていただきました。……もう、衝撃です…。前回の舞台とは別人。全盲の役だったのですが、とても演技とは思えません。そして、体のきれることきれること。一時もじっとしていない役なのに、動きに無駄がありません。「すごい人が仙台にやってきた…。」私はそのとき確信したのです。別の日に公開稽古を観た渡部ギュウ氏も、「〇田秀樹氏みたいだった…」と呆然としたそうです。
・コロナウイルスによる自粛が始まる前、我が家に遊びに来てくださったとき。菊池佳南さんもご一緒でしたが、菊池さんがウチの子2匹にべったりと張り付かれている中でのことです。大変紳士的に入ってらして、飲み始めたことろ。ずっと大変紳士的ではあるのですが、「失礼しまーす」「あ、失礼しまーす」……あら。次々と手酌で飲みまくる芝原さん。そして料理を片っ端からたいらげる芝原さん。あら、なんだかハイペース。そしてずーっと芝居の話。我が家のもう一人の演劇バカの住人は、「久しぶりにニュートン( Theatre Group“OCT/PASS という劇団の主宰・石川裕人さん)と飲んだ時みたいだった!」といたく嬉しかったようです。

そうですね。役者としてはすごい方ですが、人としては大変気さくな方でした。人見知りな私としては役者で観て内心「すごい人に声をかけてしまった…」とビビっていたので、大変安心しました。今回の「西郷隆盛」でも、また新しい役者としての一面を存分に発揮してくださっています!どうぞお楽しみに!

1982年宮城県石巻市生まれ。俳優。桐朋学園芸術短期大学演劇専攻卒。劇団黒色綺譚カナリア派所属。東京にて舞台を中心に活動後、2013年からは故郷の石巻市に演劇を届ける為、演劇ユニット「コマイぬ」を旗揚げ。代表作のよみ芝居「あの日からのみちのく怪談」は、上演を重ね今年5年目を迎える。2016年「いしのまき演劇祭」の立ち上げに参加。現在、実行委員会副代表。
2019年より拠点を東京から宮城に移す。石巻に於いて「月いちよみ芝居」開催中。
【代表作】「ほつれる、闇」(演劇企画集団LondonPANDA)「シシ」(三陸発オリジナルミュージカル)