石川裕人さんと現代文学

写真は2回目「第一高等学校思出断片 他 斎藤茂吉」の上演会場である、純喫茶シンガポールナイトさんの看板です。

東日本大震災の後、2011年9月のブログに、石川裕人さんがこんなことを書いてらっしゃいます。

思えば、震災直後ろうそくの炎の元で本なんか読む気も起こらなかった。ラジオを付けっぱなしにして酒をちびちび飲みながら何をしていたのだろう?やっと本を読む気になったのは、震災後1ヶ月以上経ってからだった。紀伊国屋や丸善という大書店が被災したので本も買えなかったし、Amazonも被災地への発送を中断していた。

6ヶ月も経ってやっと本を読む日常が回復してきた。買ったまんまになっていた本を整理し、書庫の目に付くところに並べ替えた。おおよそ20冊が積ん読になった。

そして、現代小説家の書くものがまったく心に届いてこないと言うこともわかった。今、小説を読むなら安吾、漱石、芥川、吉田健一など近代小説家のものにしている。読んでない作品がいっぱいある。

この事態にあって現代文学はなんの役にも立っていないかもしれない。現代演劇もしかりというようなことにならないように肝を据えて臨まなければならない。

今、毎日毎日、ニュースを見、ネットで次々と流れてくる情報をチェックし、友人や家族とはこれからへのどうなるんだろうと話し、そうして不安の中で日々を過ごしている人が殆どだと思います。私もそうです。でも、きっと今すぐではないのだろうけれど、必ず、本や音楽や演劇や、文化的なものが必要だ、と思う時がやってくる!と信じています。
今回の「まちなかシアター」の上演作品は、ほぼ近代文学まで、にしています。企画立ち上げ段階で、ニュートン(石川裕人さん)が書かれたこのブログを思い出していたのでした。上演作品は読んでみて、本当におもしろい作品ばかりです。
 初日は1か月後、そのとき果たして飲食店さんでの上演が可能なのかどうかも、今は正直判断がつきません。ただ、どんな形になるにせよ、お客様に届けられるうように最後まで奮闘してみる次第です。

本日9:00、ご予約開始です。もし延期等になっても、ご予約頂いたお客様には何らかの特典をお付けしたいと思います。なにせ通年の上演を目指しているので、いろいろ楽しい特典アイデアを考えられるかと(笑)。